「評論文学のなかにスポーツ文化を読む」スポーツ学選書11
著者:稲垣正浩 編
『食卓歓談集』—イストミア競技会の「葉冠」論議
『ユートピア』—16世紀初頭の賭けだらけの「テニス」批判
『パンセ』(瞑想録)上巻—「考える葦」の「気晴らし」論
『教養と無秩序』—ラグビー校と筋骨たくましいキリスト教徒
『女性の解放』—女性のスポーツ参加への道
『この人を見よ』—「遊戯三昧」のすすめ
『子供たちの大正時代』“田舎町の生活誌”—産業とともに変化する子どもたちの遊び
『昨日の世界』—1920年代は女性のスポーツ参加の時代
『夜と霧』“ドイツ強制収容所の体験記録”—アウシュヴィッツの運動会
『夜』—「死」と隣り合わせのランニング
『余計者の告白』上・下—スポーツ万能の共産主義者
『ことばが劈かれるとき』—自他の境界がなくなる体験
「スポーツ評論」はたんなる「スポーツ解説」ではない。
確たる思想・哲学に裏打ちされた評論活動こそがいま、スポーツ文化の領域で待ち望まれている。
こんにちのスポーツ文化が抑圧・隠蔽したものはなにか。
新しいスポーツ評論をめざす序奏(助走)の書。